経膣採卵一体外受精技術を利用した黒毛和種種雄牛の造成

摘要

肉用牛の改良を推進する上で，優良な個体を効率的 に選抜し，供用することは重要な課題である。これま でに改良を効率的に推進するための技術開発が進み， 人工授精技術によつて雄牛からの改良が進み，受精卵 移植技術の進展に伴い雌牛の有効活用が進hだ。独立 行政法人家畜改良センタ—においても受精卵移植技術 などを活用し，優良な黒毛和種種雄牛の造成を行って いるところである"。しかしながら，過剰排卵処理に 対する反応性のノヾラツキなどから受精卵の確保に不適 切な雌牛もみられ，これら雌牛からでも受精卵の確保 を確実にすることが改良を行う上で必要である。牛における経膣採卵と体外受精技術の組合せ(以下，OPU-IVF)は，過剰排卵処理に対する反応性に関係 なく，同一個体から繰り返し卵子を採取し，体外受精 卵を作出することが可能となる技術であるh。これ までにわが国ではOPU — IVFを利用することにより 子牛を生産したという報告はあるが，実際に黒毛和 種の改良に利用した報告は少ない。