遊離アミノ酸量を指標とする豚ぶh堆肥の腐熟度判定とペーパークロマトグラフィーによる簡易評価法

摘要

家畜ふh堆肥の簡易屑熱度判定を行うため，豚ぶh堆肥を対象として遊離アミノ際を腐熟度の指標とすることの妥当性と簡易判定法としてのペーパークロマトグラフィーの利用と判定基準について検討した．1）堆肥化に伴い，遊離アミノ酸量は堆積初期に上昇した後，急激に減少し，堆積後約4週間目には堆積直後濃度の約1／20で平衡となった．この遊離アミノ酸量の変化は，オートクレーピソグによって可溶化される易分解性窒素量の変化とはば一致することから遊離アミノ酸ほ易分解部分（ふh）の腐熟度指標として利用できる．2）遊離アミノ酸量とコマツナ発芽試験における根伸長量とは負の相関を示し，アミノ酸量が減少して平衡に達する時期と根の伸長阻害が無くなる時期がほぼ一致することからこの時期を完熟の目安とできる．3）腐熟度判定上，重要な低濃度領域においてもペーパークロマトグラフィーで定量できる遊離アミノ酸量とHPLCによる定量値とほ高い相関があった．このため，ペーパークロマトグラフィー法は遊離アミノ酸の量的変化も検出できる簡易測定法である．4）ペーパークロマトグラフィーによる腐熱度判定法は，次の通りである．乾燥堆肥微粉末に5倍量の蒸留水を加え攪拌後1夜静置し，濾過して得られた濾液25 mu Lを展開用濾紙にスポットする．これをn－ブタノール：氷酢酸：水＝12：3：5を展開溶媒として展開後こソヒドリソ溶液で発色させる．約5時間後発色が安定した時点でクロマトグラムのパソドを観察する．この時Rf借0.3以上のバンドが認められない堆肥についてはほぼ完熟であると判定できる．