大豆を圧搾搾油した残渣「大豆圧搾ミール」の性状と豆乳の調製

摘要

大豆から物理的圧搾により搾油した残渣である大豆圧 搾ミールについて，基礎栄養成分，タンパク質の変性度， 豆乳に加工した場合の特徴について検討した。① 大豆圧搾ミールと原料大豆を微粉末化して，乾物 当たりの栄養成分を比較したところ，大豆圧搾ミールの脂質は原料大豆の約30%であり，タンパク質， 脂質，灰分もそれぞれ10-20%増加していた。一方， 食物繊維は約1.5倍に増加した。大豆圧搾ミールの 当たりのエネルギーは376kcal/100gと大豆粉末に 比べて約20%低かった。② 非加熱条件下で処理した圧搾ミールは，水への溶 解性や示差走査熱分析の結果から，加熱圧搾ミール や工業製法の脱脂大豆に比較して，タンパク質の変 性度が低いものと考えられた。③ 大豆圧搾ミールより調製した豆乳は，丸大豆から 調製した豆乳に比べて白色度力M氐く， Brixがやや低く，粘度は高くなつた。 ④非加熱の大豆圧搾ミールは，通常の大豆に比べ， 低脂質.低カロリーであり，タンパク質の変性が少 なく，大豆飲料などの原料食品素材としての適性が あるものと考えられた。