送風冷却を併用した短期的暑熱順化トレーニングの効果検証

摘要

暑熱環境下における過度な深部体温の上昇を抑制する方法の一つに暑熱順化がある。現在推奨されている暑熱順化プロトコルは運動強度を低強度から徐々に漸增させ、2週間程度の期間をかけて適応を生じさ せる全身的な暑熱順化である。この暑熱順化プロトコル当初の運動強度が低く、持久的運動パフオーマン スが低下することが予想される。一方で高強度運動を暑熱環境下で行うと急激な体温の上昇が起こり、熱中症のリスクが高まることが知 られている。したがって、夏季に主要な大会がある競技では2週間の暑熱順化期間を設けることが難しく、 暑熱順化プロトコルにより持久運動パフォーマンスが低下してしまうことから効果が担保されている手 法にも関わらずスポーツ現場において応用されていない場合が多い。