簡便なプレクーリングによる暑熱負担の軽減 一全身の送風スプレーと手足の浸水の併用効果一

摘要

プレクーリングは暑熱下運動前に深部体温を下げ、運動中の暑熱負担を軽減させる有効な手段 であるが、実験的に頻用される全身浸漬によるクーリングは、フィールドでは実用性に乏しく、 寒冷ストレスが大きいという問題があった。そこで我々は、送風とスプレーを全身に当てる方法 でプレクーリングを行ったところ、防護服着用歩行時の暑熱負担を軽減することを報告した(Tokizawa et al.Int J Biometeorol. 2014)。しかし軽減効果は2割程度であり、異なる方法として手足の浸水によるプレクーリングを行った（昨年度本学会報告)。その結果、深部体温の上昇は 半減され、脱水は2割滅、さらに温度感覚など心理的負担も軽減された。本研究ではさらなる効 果增大を目的とし、送風スプレーと手足の浸水を同時に行うプレクーリングの暑熱負担軽減効果 を検証した。また効率性の観点から、従来のクーリング時間の半分でも比較した。