暑熱順化前に実施した温熟負荷テスト時における 体温調節反応の男女比較

摘要

【目的】近年，地球温暖化により都市部では気温が上昇し，それに伴い熱中症の発症が增加傾向にある. 熱中症は若年-中年層では男性が多く女性の発症は少ないのが特徴である.女性は男性に比べて発汗量が 少なく，主に皮虜血流による熱放散により体温上昇を抑制していることが示唆されている.また卵胞早期 の女性では，発汗や皮虜血流が增加する体温閾値は男性と同様であるが，局所汗腺訓練効果は男性が大き いことが報告されている.したがって体温調節反応の男女差は，性周期や暑熱頫化の程度により異なるこ とが示唆される.そこで，本研究では温熱負荷時の体温調節反応を暑熱順化が生じる前に測定し,女性の 性周期を調整して，男女間の比較を行った.