新宮川ダムの設計と施工について

摘要

会津宮川地区は，福島県会津盆地の西部を北に向けて流下する一級河川阿賀野川支流宮川の左右岸に位置する，大沼都会津高田町外2町1村にまたがる4，540haの地域である0本事業では，宮川上流に新宮川ダムを築造して，潅漑用水の安定的な水源を確保するとともに頭首工，用水路等の基幹施設を整備して，水利用の合理化を行い，農業用水の安定確保を図ることとした。新宮川ダムは，農林水産省で初めてRCD工法（rollercompacted Dam－concreteの略）を採用した重力式コンクリートダムである。 施工は，昭和59年の付替県道（現国道）着手に始まり，平成6年基礎掘削開始，平成9年堤体コンクリート打設開始，平成13年堤体コンクリート打設完了，平成15年には試験湛水を行い河川法に規定する完成検査を了している。主な諸元は，表－1のとおりである。