自治体における安全情報の評価--東京都食品安全情報評価委員会の活動

摘要

食の安全については、つねに社会的に高い関心が寄せられています。 2000年から2003年にかけて、加工乳による有症者が1万5000人を超える大規模な食中毒、国内でのBSEの発生、食肉の原産地偽装表示、輸入農産物の残留農薬問題、国内での無登録農薬の使用、中国製ダイエット用健康食品による健康被害など、食の安全を根本から揺るがす事件が立て続けに起こり、新開やテレビでは連日のように危険な食品、うそつき食品に関する報道がおこなわれました。食の安全に対する消費者の不安や不信はかつてないほど高まり、食品の安全を確保する仕組みの再構築に加えて、行政に対する信頼回復や事業者に対する不信感の払拭が喫緊の課題となっていました。 こうした状況に対応するため、2003年5月、食品安全基本法が採択され、国においては、同年7月に食品の健康への影響について科学的知見にもとづき評価をおこなう組織として食品安全委員会が設置され、食品の安全確保に向けた新たな活動が開始されました。