農産物のインターネット生産者直販における売上不振とその原因 －インターネット調査による米販売の実証分析－

摘要

近年，日本では家庭へのパーソナルコンピュータ（パソコン）の普及が急増し，2000年には38.6％となっている．インターネット人口は同年2月末で約1938万人に達し，利用者の44.1％がオンラインでの購入を経験しており，電子商取引（EC）が定着しつつある．農業においても2000年にはパソコンを所有する農家が農家全体の34％と急増し，その内農家の7％が既に経営管理等を目的にパソコンを導入している．また，オンライン専門店の業者別出店者は，1996年9月で水産、農林は34件であったのが，1999年9月では536件と大幅に増加していが．ところが，その一方で「全国に200を超える取り組みがあるが，ビジネスとして成功した例はまだ少なく，月10万円以上を売り上げている農家は少数だ」とされており，生産者の取り組む農産物の電子商取引が増加しつつも売上が伸びないという問題を抱える経営が多い．