薬剤解毒酵素遺伝子の構造解析及びその発現量比較による抵抗　性ワタアブラムシの識別

摘要

農作物に付く害虫を殺すために同じ殺虫剤を使い続けるとだhだhと効かなくなってくる場合があります。この現象を「抵抗性がつく」といいます。 害虫に抵抗性がつくと防除が難しくなり農作物に対する被害が大きくなったり，防除のコストが高く付いたりするので農家の人たちやわれわれ消費者が直接的に困るのはもちろhなのですが，近頃とみに危惧されているのは，抵抗性の発達が農薬使用量の低減化を阻害する大きな要因の一つになっているという点です。 殺虫剤が効かなくなってくれば当然散布する量や回数,殺虫剤の種類が増えてきます。 ある殺虫剤に対して抵抗性がついた場合,タイプの違う殺虫剤に変えたりして対抗してきましたが，最近では複数のタイプの殺虫剤に抵抗性のついた害虫も少なくなくなり，従来の対抗策も限界が近づいてきました。 地球環境問題に対する社会的関心が高まる中，農業においても「環境に優しい農業」や「安全な食料の供給」といったことが強く求められており’さらに，最近ではいわゆる「環境ホルモン」問題がにわかにクローズアップされているのはご存知の通りです。 環境庁がリストアップした環境ホルモン様作用を持つことが疑われる化合物中にも農薬が多数含まれており，農薬に対する社会的不安，反発は日増しに高まるばかりです。 「無農薬」は誰が考えても理想です。 しかし，無農薬で今の地球上の人口を支えていくことは現在の技術ではまず不可能です。 抵抗性がつく原因を科学的に解明して最小限の農薬投入量で最大限の効果を生み出す防除技術を早急に開発することが望まれます。