海外のエコー診断技術を学ぶ--ニエンミ氏来日実習に参加して--

摘要

近年，欧米では牛の繁殖分野に早期妊娠診断を主な目的とした超高波画像診断装置（エコー）の利用が増加している。 その理由として，エコーの解像度の向上，バッテリー性能向上によるコードレス化で現場での電源の確保が不必要となつたことが挙げとうれる。一方，乳牛の繁殖に関する人工授精法も変化し，オブシンク法に代表される定時授精法により，発情発見することなく決められた時間に人工授精する方法が日常的に行われている。 よって発情発見による妊娠診断（ノーンリターン法）が困難になる傾向にあり，エコーによる学期妊娠診断の必要性がさらに増したものと考えられる。 実際の好娠鑑定では一部の獣医師は直腸検査による学期好娠診断を35～45日で行っているが，一般的には60日以降に行っている。 よって非妊娠牛の摘発が遅れ，結果的に空胎期間の延長につながることも少なくない。