プロスタグランジンF_(2α)とデキサメタゾン併用による定時分娩誘起の実用化

摘要

プロスタグランジンF2α15、20mgとデキサメタゾン5mgの同時処置および予測分娩誘起時刻における母牛の分娩状況の把握により，黒毛和種牛の定時分娩誘起の実用化を試みた。 その結果，供試牛86頭中77頭（89．5％）において，分娩介助のための1回の往診あるいは農家自身による分娩介助または無介助による定時分娩誘起が達成された。 本処置により分娩が誘起された時間帯は，処置後26～30時間に60頭（69．8％），24～32時間に73頭（84．9％）であり，大部分のものにおいて処置後28時間前後に分娩を集中して誘起することができた。 この定時分娩誘起は，農家と獣医師の負担を軽減させ，経済的効果があることも確認でき，農家の飼育意欲と飼養頭数の維持に貢献すると考えられる。