畜産飼料と食の安全、安心（4）

摘要

アミノ酸，ビタミン剤，ミネラルなどの多くの飼料添加物は，飼料原料に不足している栄養性分や有効成分の補給のために必要なものである。一方，抗生物質や合成抗菌剤の抗菌性飼料添加物は，腸管内に生息する有害な微生物に働いて飼料に含有する栄養成分の有効利用や，病原性微生物の腸管内増殖を抑制し，発育を促進することを目的として使用される。飼料安全法による飼料添加物とは，①飼料の品質の低下防止（酸化防止剤5種，かび防止剤3種，粘結剤5種，乳化剤5種，調整剤1種），②飼料の栄養成分その他有効成分の補給（アミノ酸12種，ビタミン斉り33種，ミネラル38種，色素3種），③飼料が含有する栄養成分の有効利用の促進（抗生物質19種，合成抗菌剤6種，着香料1種，呈味科1種，酵素12種，生菌剤11種，その他4種）の用途を目的として飼料に添加されるものである。これらはすべてが，その目的とその機能の発揮性，動物体内での移行や残留性により，対象動物ごとに許可がなされ，それぞれの添加量が規定されている。