北海道における牛サルモネラ症の現状と対策

摘要

北海道における牛サルモネラ症は，昭和45年 (1970)から発生報告がある。昭和61年（1986)以前 は，乳用種雄子牛を主とした肉用牛での発生がほと hどであったが，62年（1987)から乳用種成牛での発 生が認められるようになり，平成6年（1994)以降は 肉用牛より乳用牛での発生が圧倒的に多くなつてい る。サルモネラには多くの種類がある力、平成9年 (1997) 4月の家畜伝染病予防法一部改正に伴い，牛 由来サルモネラの中ではDublin (ダブリン）， Tvphimurium 、アイフィムリウム)，Enteritidis 、ェン テリテイデイス）の3つの血清型によるものが届出 伝染病に指定された。現在は，この3つの血清型以 外によるサルモネラ症も北海道では多究傾向にある。ここでは，北海道における牛サルモネラ症の発生 状況，北海道で実施した調査、検討，サルモネラ症 対策について解説する。