乳用牛サルモネラ症発生例における発生状況と抗体価分布による病勢ステージの推定および治療への応用

摘要

乳用牛のサルモネラ症は北海道内では平成6年をピークに減少の傾向にあるが，依然として毎年数十戸の発生が報告されている。本症の発生農場に与える経済的，精神的ダメージは多大なものがあり，臨床獣医師には，できるだけ早期かつ安価に終息させる対策の判断が求められる。 そこで我々は，平成9年に遠軽地区NOSAI管下の酪農場4戸で発生した乳用牛のSalmonella Typhimuriumによるサルモネラ症について，発生状況と抗体価分布から推定される病勢のステージを比較検討し，対策に応用したので報告する。