露地ナス栽培での天敵保護利用体系における スピロテトラマト剤の苗処理の効果

摘要

奈良県の露地ナス栽培では，殺虫剤感受性が低下したミナミキイロアザミゥマThrips palmi Karny (以下，ミ ナミキイ口）による被害が問題になっており，本種の土 着天敵であるヒメハナカメムシ類On'ws spp.(以下，ハ ナカメ）の保護利用による防除体系の普及を進めてき た（井村，2015)。本防除体系において苗の定植時に粒 剤処理するイミダクロプリドは，ミナミキイ口に対する 感受性が低下している（井村，2013)上に，ハダ二類に 対する殺ダニ活性がない（塩川ら，1994)。また，定植 時の本粒剤処理がカンザヮハダ二 Tetranychus kanzawai Kishidaのリサージヱンスを引き起こすとともに，土着 天敵であるハナカメの発生ピークが無処理に比べて遅れ るとの報告がある（Nemoto; 1995)。