達を企図するメナヒドロキノン-4 (活性型ビタミンK2(20) プロドラッグによりビタミンK2(20)の光不安定性と 光毒性の克服が可能となる

摘要

ビタミンK(VK)の皮膚適用は，レーザー治療後の色 素沈着抑制°, EGFR (epidermal growth factor receptor) 阻害剤セツキシマブの副作用であるざ瘡様発疹の予 防2)3),創傷治癒促進4)5)などの有益な効果が期待され ている.しかし，VKは光安定性が低く，遮光困難な 皮膚への適用は強く制限される.さらに，VKの光分 解過程では，VK構造中のキノンと側鎖の二重結合に おいてラジカルが発生し，1,3-キノンメサイドを始め とする中間体を経由したのち,最終的に不活性なクロ メ ノール環を形成するめ.生じたラジカルは生体組織 で活性酸素種(ROS)を生成し，光毒性を引き起こす可能性がある.欧州では，VK,(フイロキノン，PK)の化 粧品への使用が禁止された経緯があり，その根拠のひ とつに培養皮膚細胞に対する光毒性が示されている7〗8). VKの皮膚適用実現には，光分解と光毒性を回避するた めの厳密な遮光管理が必要であり，露光下での使用は 極めて困難である.