中国の食糧需給と環境問題

摘要

中国が近い将来に解決を迫られている問題は食粗問題と環境問題である。 中国が食粗問題と環境問題の解決が可能であるか否か。 それらの検討のためには、先ず、人口問題の解決が可能かどうかを検討することが必要である。 中国の政府の人口計画は、2000年13億人、2010年14億人、2020年15億人、2030年16億人以内に抑える計画である。 中国の人口の自然増加率は最近は毎年低下しており、こうした傾向が維持されれば中国政府の人口計画は容易に達成されると思われる。 食税問題については、中国政府は2030年の食糧生産量6.4億トンの達成を目標としている。その根拠は、人口は16イ意人、一人当たり供給量（＝消費塁）は年間400kgである。 2030年の人口を16億人とすることは問題はないので、一人当たり年間供給量400kgの妥当性の検討が必要となる。 現在中寅人は日本人とほぼ同量の肉類を消費していると計測されるが、このような肉類の消費水準は食橡生産量が一人当たり年間400kgで達成されているものである。 したがって、人口一人当たりの食糧生産量を400kgとすることも妥当と考えられるので、中国政府の食粗生産計画も妥当なものと言える。 このような食糧生産計画を達成するために必要な農地、水、農業労働力の確保もそれほど大きな問題はないと思料される。 環境問題の深刻さは中国政府も認識しており、99年初頭に全国生態環境建設計画を策定し、生態環境の建設を一層推進することとなった。 環境問題の解決には、経済が一定の水準に到達することが必要であり、また、経済的劣位地域、劣位者に対する支援の強化が必要である。 中国の環境問題への協力は後者に対する協力が効果的である。