「日本の水産養殖の現状と展望-市場から見た養殖魚の可能性-」 -III

摘要

"市場浸透"という事を考えてみますと、いくら需要が減っているとはいえ、水産物 の価値、特に鮮度、これを最も高く評価する市場はやはり日本市場です。この日本市 場をほつたらかしにして海外ばかりに目を向けると言うのは、これは片手落ちであ り、勿体ないと思います。漁業権の理念からも国内の顧客をないがしろにするのは問 題が大きいと思います。国内市場においては、先程言ったようにコモディティである 事は仕方がありませh。但し、養殖魚の特徴は鮮度感で、養殖魚ほど安定的な鮮度感 を訴求できるアイテムはありませh。輸入水産物にしても、国産の天然水産物に対し てもそうです。そこを全体的な差別性として焦点を当てたと同時に、コストダウンを 行って、国内において今のポジションを維持していく事が必要だと思います（スライド26)。ここで問題になるのはTPP (環太平洋パートナーシップ協定）です。TPP時 代におきましては、敵は誰かと言えば肉です。これまで以上にそのような状況が強ま るのだろうと思います。