実技2立て替えで秘めたる魅力を引き出す

摘要

足元から大きく屈曲し、右へと流れる主幹。五葉松の吹流し樹形としての輪郭はできあがっており、小枝の充実ぶりも申し分ない。このまま鉢で見るのも良いだろうし、石付にして写実的に風景を創出するのも面白いかもしれない。いずれにしても、早急に改作を必要とする状態の樹には感じられない。取材で伺った編集スタッフは鈴木氏にそう疑問を投げかけた。すると鈴木氏は「確かにこの姿でも見られるとは思います。でも今の状態は樹なりにまとめられているだけで、この樹の魅力を活かしきれているとは思えないhですよね。」と語る。では鈴木氏が見るこの樹の魅力とはどこなのだろう。「この樹の魅力は、立ち上がりの力強さや迫力だと思うhですよね。幹肌も荒れて古さもありますし、この足元を活かさない手はないと思います。でもこれだけ主幹が右に張り出して輪郭が大きくなると、立ち上がりの太みが目立たなくなってしまいます。そこに修正すべき点があるのではないですか。」と鈴木氏は見ていた。