ベントグリーンにおけるアントシァニン斑形成要因の解析とその軽減策 第2報アントシァニンの同定と簡易な手法による定量

摘要

本報告では，ベントグラスの紫斑系統に含まれるアントシ ァニンの同定と簡易な定量法を確立した。1) 高速液体ク口マトグラフィー（HPLC)による分析から， ベントグラスの葉で2種類のアントシァニンが同定された。 それら色素は，シァニジン3-マロニルダルコシド，シァニジ ン3-グルコシドであった。2) ベントグラスの葉中アントシァニンを抽出する最適な 溶媒は，3%塩酸水溶液であった。3) ベントグラス葉中アントシァニンの簡易定量分析法を 確立した。すなわち，生葉0.2 gを細断し，20mZの3%塩 酸水溶液を加えてホモジナイズしたのち，冷暗所で24時問 抽出した。抽出液をろ過したのち一定量に稀釈して530 nm での吸光度を測定した。4) 本研究で確立したアントシァニンの簡易定量分析法に より，紫斑系統と非紫斑系統ダリーンにおけるアントシァニ ン量の季節変ィ匕を調査した。その結果，紫斑系統のアントシ ァ二ン量は春から夏に向かつて低下し，晩秋から^^に高ま る季節変化を示した。非紫斑系統も同傾向の季節変化を示し たが，変動値は小さぐアントシァニン量は紫斑系統の春か ら初秋の含量フね準に近いものであった。