仔ヤギにおけるコレシストキニン（CCK）の分泌調節と機能に関する研究

摘要

反賓動物は、他の哺乳類では栄養とすることが不可能であるセルロースやヘミセルロースをルーメン内微生物によって分解し、その分解産物である揮発性脂肪酸（volatile fatty acids：m）をルーメンから吸収し、エネルギーとして利用している。 しかし、誕生直後1，2週間の新生仔は草葉の摂取はほとhどなく、栄養源を下部消化管から吸収された母乳中の糖質や脂質およびタンパク質などに依存している。 このため反賓動物では、食物の消化やエネルギーの獲得に関連する調節機構が離乳期に劇的に変化する。胃酸分泌の調節において重要な役割を持っているガストリンを分泌する第4胃のG細胞は、生後2週齢から離乳期までの閏で増加することがヒツジにおいて示されており、これは第4胃機能の調節が離乳により変化することを示している。またヒツジの小腸において、グルコースの吸収に重要な役割を果たしているナトリウム依存性グルコーストランスポーター1（SGITl）活性とmRNA発現が、5週齢までに消失することが明らかになっている。 これはルーメンが発達し、下部消化管へのグルコースの流入がなくなるために起こったものと考えられている。 さらに、離乳前の乳牛は哺乳により血奨中コレシストキニン（CCK）濃度が上昇するが、離乳後では変化が見られないことも明らかになっている。 このことは、CCKなどの腸管ホルモンの分泌調節が、離乳に伴って変化する可能性を示唆している。