グラフを使った考察問題:「なぜ」と「もし」を鍛えることの重要性

摘要

ちょうど本稿の執筆中，京都大学名誉教授で高 等研究院特別教授の本庶佑先生が，免疫細胞であるT細胞のアポト一シスにはたらく PD-1の発見 でノーベル生理学、医学賞を受賞したという発表を耳にした（本誌P.551トピックス参照）。その会見で， 「研究者になるにあたって重要なことは「知りた い」と思うこと，「不思議だな」と思う心を大切に すること」と述べられている。今ト1のテーマと関係するので，冒頭で紹介したい。さて，2022年 度施行の新指導要領が今年2018年に発表され， 実験、観察を活用した，思考力を指導しょうとす る傾向がますます強くなる。生物の入試問題も， 身につけた知識を問うことからはますます対局の 方向に向かおうとしている。確かに覚えることは 面倒かも知れないが，簡単である。なぜなら，覚 えさえすればいいのだから。では，「考える」こ とはどうすればよいのだろう。考察問題を解く力 をつけるにはどうすればよいか，いまだ戸惑う受験生は多いのではないだろうカゝ。