鶏の卵殻色に関する研究（14) 褐色卵の赤味を表す直と卵殻色素量の関連性について

摘要

コマーシャル鶏であるポリス、ブラウン産卵鶏が産む褐色卵の主要な卵殻色素は，プロトポルフィリンK (Protoporphyrin K,以下，PPと略記）であることがよく知られている2'4'6)。わが 国では，褐色卵の卵殻色は濃い方が消費者に好まれるため，われわれの研究グループでは，光 線照射が褐色卵の卵殻色に及ぼす影響について研究してきた"-その研究過程のなかで，養 鶏場の開放鶏舎や無窓鶏舎から直接集卵してきた褐色卵（無洗卵）を，大学の研究室で一週間， 室温にて喑所保管したときに，分光測色計で測った褐色卵のa*値が，最初の24時間で有意に 上昇するという現象を何度も観察してきた。また，24時間以降は室温で喑所保管していても，褐色卵のa*値は，7日目までプラトーを保って推移していた。a*値は卵殻色の濃淡と関連して いるため，養鶏場で集卵してきた褐色卵を喑所保管しているだけで，なぜ最初の24時間でビ 値が経時的に顕著に上昇するのか，その理由は明らかではなかった。