自動車部品業界における海外拠点の内部統制を考える

摘要

自動車部品業界のグローバル化が加速している。海外生産、海外現地調達、海外現地雇用など、先進国から新興国へ、より車が売れる市場へ海外ビジネスの比重が増している。かかるグローバル化に伴い、否応なく、多様な地域や国に海外進出する自動車部品メーカー（サプライヤー）が増加している。その大半が直面する課題として、海外拠点のガバナンス（企業統治）の強化があげられる。日本に本社を構える上場企業を対象としたデロイトトーマツ企業リスク研究所「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント調査2017年版」によれば、海外拠点において最も優先して着手すべきリスクは、「子会社に対するガバナンス不全」が22.9%で1億2016年は5位）となっている。海外拠点におけるガバナンス体制の確立·高度化は、日本企業が優先度を高めている状況にある。