迅速微生物検査に向けた核酸検出法の開発

摘要

近年の消費者の「食の安全安心」への関心の高まりや，HACCP（Hazard Analysis and Critical Control Point）の義務化などが契機となり，各食品·飲料メーカーにおいて微生物管理手法を見直すニーズは確実に高まってきている。製造現場において，これまで主に実施されている微生物試験法は培養法である。培養法では，微生物を目視可能な状態まで育成し，増殖の有無から菌の存在を調べる検査方法である。そのため，検査結果を得るまでに数日から数週間程度の時間を要する（図1）。一方，より短時間で検査結果を得られる迅速微生物試験法は多数報告されているが，これらの導入はあまり進hでいないのが現状である。導入が進まない原因として，装置導入コストや高い検査コストを挙げるお客様は多い。