AEDが院外で効果を発揮するために 必要な医師の知識と役割

摘要

現行の心肺蘇生(CPR)は1960年にロ対口人 エ呼吸，胸骨圧迫，電気的除細動の組み合わせ が揃い，半世紀が過ぎた.A(気道確保)，B(人工 呼吸)，C(胸骨圧迫)，D(除細動)の順番で，市民 から医療従事者まで統一された方法で普及が図ら れた.2007年にわが国から胸骨圧迫のみのCPR が効果的であることが示されたことにより，胸骨圧 迫の重要性が見直された.その結果，国際蘇生連 絡委員会（ILCOR)による国際コンセンサス2010に て，CPRO手順がABCからCABとなり，市民に よるCPRは胸骨圧迫のみのCPRと自動体外式除 細動器(AED)適用で，より実施されやすい環境が 整ったと考えられる.わが国では，2004年1月に厚 生労働省から市民によるAED使用を可能とする 通達が出てから，AEDの設置が急速に進hだ.