宮崎県における新生児聴覚スクリ 一二ング検査体制の精度向上に関する検討

摘要

宮崎県の新生児聴覚スクリーニング（NHS)事業は、スクリーニング検査から精密聴力 検査に至る流れを整備し、補聴器や人工内耳によるハビリテーシヨンと療育まで一貫して支 援できる体制を目指して開始した。本事業には県内の分娩取扱い40施設全てがOAEまた はAABRを導入して臨み、開始初年のスクリ 一二ング検査受検率は88%であった。受検率 は年々向上し2015年は98 %と全ての赤ちゃhに検査の機会を提供できる環境が整備され た。また、スクリーニング検査でreferと判定された児の98.7% (439/445児）が当科で精 密検査を受けており、スクリーニング検査実施機開と精査機関との連携体制ができた。一 方、スクリーニング検査精度については各産科医療施設の裁量で実施されることと、事業開 始初年はOAEの単独検査施設が25施設（63%)であったことから検証が必要だと考える。 今回我々は、宮崎県のNHS事業開始後に精密検査希望で当科を受診した児の精査結果を基 に本県のスクリ一ニング検査の実態を調査した。