(PS174)デジタルホログラフィック顕微鏡を用いた鋼の相変態に伴う表面起伏生成のその場観察

摘要

鋼のフェライトプレート(FP)の生成機構が拡散型変態なのかせh断型変態なのかに関しては、未だに統一的な見解が得られていない (1-2)。FP の生成時には、鏡面研磨した試料面にFP 組織に沿った山型の表面起伏が形成される。表面起伏の断面形状は、プレートの幅に対して対称なテント型と、非対称なIPS(InvariantPlane Strain)型に分類される。しかし、従来は冷却終了後の静的な条件下での測定しか行われず、最終的な表面起伏の形状から変態過程を推定しているに過ぎない。また、その観察結果にはFP 以外の周囲の組織の変態による形状変化を含hでいると考えられる。したがって、表面起伏から変態機構を推定するためには、変態過程におけるその場観察が必要となる。近年、三次元形状の高速観察を行う装置として、デジタルホログラフィック顕微鏡(DHM)の開発が進hでいる(3)。DHM はホログラフィの原理を応用することにより、試料表面の三次元形状を高速で取得できる。そこで本研究では、DHM を用いて、FP 生成に伴う表面起伏をその場観察した。