管の減径加工における曲がり発生メカニズム

摘要

近年、製造業に対して環境に配慮した生産活動が強く求められており、その一環として自動車産業においては、燃費向上を目的とした部材の軽量化が推進されている。 その取り組みの一つとして、部品の中空化が加速しており、従来中実丸棒鋼で構成されていた部品を丸鋼管で代替する動きがある。このような中空部品は管軸方向に径が異なる段付き形状に加工して用いられることが多い。 これらの段付き部材は回転体として使用されることが多く、曲がりがあると回転時に振れが発生するため、その高い真直性が要求される。 このた軋縮径加工後の材料の真直性管理は重要である。 段付形状に加工する手法としては種々あるが、最も簡便な方法は管内面に拘束工具を用いない状態でダイスに管を押し込hで縮径加工する方法である。 管は内面の拘束が無いだけでなく、材料の周方向に偏肉を有することから、変形を3次元的に取り扱う必要が生じる。 そのため、管材では棒材と比べて変形が複雑となる。 従って、管材の縮径加工技術を確立するためには、材料の変形を詳細に把握する必要がある。 本報告では管の冷間押抜による縮径加工に際して発生する寸法不整問題に関し、成形後の被加工材の曲がり現象に焦点を当てて、その発生機構を明らかにする。 葺た管の押抜加工時の曲がり抑制の方法についても検討し、その加工技術を提案する。