超短投写距離液晶プロジェクター用自由曲面光学金型の開発

摘要

自由曲面レンズ·ミラーを用いた新方式の超短投写光学系を搭載した液晶プロジェクターが、08年春に日立製作所より製品化された。 この液晶プロジェクターは、スクリーン面から42cmの距離で60型の大画面を映し出すことが可能であり、2枚の自由曲面レンズと1枚の自由曲面ミラーを含む、投写光学系でこの超短投写距離を実現している。 この自由曲面は、従来からある非球面以上に光学設計の自由度が増す一方、その形状精度や表面性状によっては、結像性能が大きく劣化する。 このため、自由曲面金型の製造技術、成形技術、さらには自由曲面測定·補正技術の3点を高い次元で結合することで初めて実現できるのが、自由曲面光学系であるといえる。 本報告では、この自由曲面レンズ·ミラーのプラスチック化を達成するための金型製造技術を中心に、開発の概要について紹介する。