型づくり人材のあるべき姿とその育て方：【事例②】日立グループにおけるモノづくり人材教育と技能伝承への取組み

摘要

団塊の世代が大量に定年退職する「2007年問題」に備えて、多くの製造業を中心とする企業において、技術·技能の伝承に取組み、対応してきている。当社においても、技術·技能者の高齢化、製造部門の海外移転、外注·アウトソーシング化の進展、製品トラブル·事務発生などをモノづくり力の低下が危惧されてきている。 本問題に対する基本は将来を見据えて、若い人に技術·技能を伝承していくことが重要である。当社は「企業は人なり」の経営理念のもと、創業と同時に「徒弟養成所」を創設して、熟練技能者の養成に努め、その後、各種教育機関を整備して今日に至っている（図1参照）。 5年前より、モノづくり力維持·強化のために求められる技能者像の明確化と新たな教育体系の構築、事業戦略に則した「基本技能」の訓練、伝承すべきキー技能の明確化と伝承·蓄積に取り組hできている。 本稿では、その内容の一端について報告する。