金型用プレートに適した省資源冷間ダイス鋼'DCLT'

摘要

モリブデン、バナジウムなどの希少金属は鉄鋼を含めた多くの産業で利用されている。近年、世界的な需要の高まりのため、希少金属の価格は今までの推移を遥かに超えて高騰した。金型に使用される工具鋼の多くは希少金属を含hでいるため、このような価格変動は工具鋼製造コストに大きな影響を持つ。そのため、希少金属の価格に影響されにくい安価な工具鋼というニーズが強くなってきている。一方、製品の差別化や多様化から、冷間プレス金型で製造する製品は、複雑で多品種小ロット化の傾向がある。そのため、金型の損傷が激しいところは、高性能な冷間ダイス鋼や高速度工具鋼、あるいは、これら工具鋼に表面処理を行ったものを通用し、そうでない金型部品は、できるだけ素材価格が安く低コストで金型製造が可能なものを適用する形で2極化傾向にある。そこで、冷間成形用金型に多用されている冷間ダイス鋼JIS SKD 11に含まれる希少金属量の最適化で低コスト化を実現し、SKD 11とほぼ同等性能を持つ冷間ダイス鋼「DCLT：デイーシーライト」を開発した。