「開発ものがたり」［第2回 ポーラス電鋳金型］ 穴だらけのガサ電鋳がヒントに

摘要

電気鋳造（電鋳）技術で世界の自動車メーカーから注目されているのが、愛知県江南市の江南特殊産業である。電鋳は製品モデルに3～5mm程度の電気めっきを施し、これを剥がして表面の質感を忠実に再現する技術。現物パターンから金属型への置き換えには、精密鋳造、放電加工、エッチング、倣い加工などがあるが、「転写精度は電鋳がベスト」と同社の野田泰義社長は語る。特にシボ（絞）と呼ばれる革模様を原形からきれいに転写できることから、ドア、フロアシートなど、自動車用内装材の多くがこの電鋳金型でつくられている。しかし、同社が得意とするのは普通の電鋳金型ではなく、ポーラス（多数の穴を持つという意味）電鋳金型と呼ばれる独特のものだ。