自動車部品向け高強度·高耐熱材料「アーレン」の特徴と適応例

摘要

環境への負荷軽減は急務の課題である。他方で、人々の暮らしの快適性や利便性への追求が止むことはない。われわれが利用するインフラやサービスの機能は、ますます高度化ならびに多様化している。それに伴い、使用される樹脂素材の位置づけは重要度を増し、メーカー各社は、この機会を捉えるべく混練、含侵、接合などのさまざまな技術を駆使し、日々精力的に素材の開発を進めている。当社は、スーパーエンプラに分類される「半芳香族ポリアミド（以下、PPA）」を1986年に世界に先駆けて製品化、「アーレン」として世に送り出した。以来、電気·電子製品や自動車を中心としたモビリティの部品など、多岐にわたる用途に採用いただいている。その後、新たにPPAメーカーも加わり、その知名度は高まり、今日では年率5%近傍で堅実に成長する、市場で不可欠な素材となった。本稿では、アーレンの特徴を採用事例を中心に紹介する。