細穴放電加工におけるパイプ電極外周溝の効果

摘要

近年、要望の多い難削材への細穴加工では、放電加工も選択肢の一つである。直径0.1～3.0mm程度の加工が可能な経穴放電加工機では、銅または黄銅のパイプ電極を用い、加工液をパイプ穴より噴射しながら加工が行われる。このとき、加工深さが深くなると加工くずの排出が滞り、加工速度が低下することが経験的に知られている。そのため、直径100μm以下の微細軸を加工楼上で成形し、その後穴加工を行う微細穴放電加工では、電極形状を工夫した効果が確認されている。そこで筆者らは、市販の細穴放電加工機で用いられる直径3mmのパイプ電極の外周に、ストレート溝を成形した電極を作製し、溝の有無による加工速度への影響を調べ、溝付き電極の効果を確かめてきた。本稿では、上記加工における溝の有無による放電状態の違いを調べ、さらに直径0.8mmパイプ電極の外周部へも追加工を行い、その効果を調べた。