歯科接着システムの進歩--（下）接着用材料

摘要

う蝕部分をエア·グラインダーで除去した後、酸処理によってウイークバウンダリー·レア（WBL：粉砕されたヒドロキシアパタイトの結晶、切断されたコラーゲン繊維片）を除去された歯質表面層に、歯科用接着剤に配合されたメタアクリル酸メチル（MMA）モノマーを十分に浸透·拡散し、硬化させることで、耐久性の高い接着剤接合が可能となった。 例えば、市販のMMA－TBB系レジン接着剤を用いた象牙質の接着では、被着体の前処理を適切に行うことで、10MPaを超える安定な接着強さを得ることができる。 歯科接着の主役は歯質表面層に浸透·拡散し室温で硬化するMMAモノマーである。 特に、酸処理によってヒドロキシアパタイトの結晶が除去され、むき出しになったコラーゲン繊維に厚く覆われた象牙質の表面層への接着性モノマー（MMAモノマー）の浸透·拡散には反応性接着補助モノマー（4－METAなど）の助けが必要である。