光学材料の研究·開発動向と今後の課題

摘要

光技術は21世紀高度情報化社会の基盤技術である。 社会システムの発展と高度化とともに、光技術に対する社会的要請がますます大きく、かつ多様になりつつある。 このような状況下で、光学材料にはどのような展望が開けるのかというのが、本特集の問題意識である。 個々の光学材料のシーズ面に目を向けると、多くの革新的な発展がここ10年の間に得られてきた。 III-V族化合物半導体技術は成熟した技術レベルに到達し、新機能をもつ種々の光デバイスが実現している。 他方、新たに窒化物系化合物半導体が可視～紫外城の光学材料として登場し、青色から紫外領域へのレーザーを実現し高密度光記録の道を開くとともに、フルカラー発光ダイオードを実現するだけでなく、従来の照明光源に代わる固体光源への技術展開を可能にした。 II-VI族化合物半導体はフルカラーEL、高輝度ELなどへの展開とともに、プラズマディスプレイなどへの展開もあり、大型ディスプレイ技術に革新をもたらしている。 また、シリコンのフォトニクス応用の展開も開けつつあり、LEDへの応用も展望されつつある。