自己免疫性膵炎の病態·診断·治療

摘要

自己免疫性膵炎は高齢男性に多く.病理組織学的に.著明なリンハ球·形質細胞浸潤,lgG4陽性形質細胞の浸潤.花冠状線維化(storiform fibrosis).閉塞性静脈炎を特徴とするIymphoplasmacytic sclerosing pancreatitis (LPSP)を呈するものに相当する.原因や発症機序は不明であるが.疾患感受性ハブロタイプ.高γ-グロブリン血症.多様な自己抗体.動物モデルの解析などにより.免疫遺伝学的因子を背景に.膵や膵外病変でみられる臓器における共通抗原に対する自己免疫的機序に基づく炎症である可能性が提唱されている.膵画像所見血液所見.病理組織所見より総合的に診断する.我が国では2006年に発表された臨床診断基準2006に基づき.画像所見か必須で.血液学的所見病理所見のいずれか,もしくは双方の存在により診断される.膵外病変の存在は自己免疫性腸炎の可能性を示唆する.