IgG4関連硬化性胆管炎

摘要

IgG4関連硬化性胆管炎は，血中 IgG4値の上昇，病変局所の線維化 とIgG4陽性形質細胞の著しい浸 潤などを特徴とする原因不明の硬 化性胆管炎と定義されている. 単独で発症する場合もまれに認め るが,高率に自己免疫性膵炎を合 併し，硬化性唾液腺炎，後腹膜線 維症などを合併する症例もあり， 近年注目されているIgG4関連疾 患の胆管病変と位置づけられてい る.狭窄部位では全周性の壁肥厚 を認め，狭窄を認めない部位にも 同様の変化がみられることが多 く， 胆管病変の範囲の同定の困難 なこともある.自己免疫性藤炎の 合併例では滕内胆管の硬化性狭窄 が腫大滕の圧迫によるものなの か，あるいは胆管炎の胆管肥厚に よるものか，臨床的鑑別は困難で あり専門家間でも異論のあるとこ ろである.