観光施設が作った、千葉県産の果実を ふhだhに活用した「南総ロール」商品開究と 観光を通した地域資源の新たな取り組み

摘要

金谷地区は千葉県富津市の南部に位置し、現在人口わずか一六〇〇人程度の小さな農漁村です。東京駅からは特急電車でも車でもわずか九〇分ほどで着いてしまう場所にありながら、自然が豊富に残っています。前面に広がる東京湾の向こうには、遠く富士山、天城山、対岸の三浦半島や伊豆大島を望み、背後には房総の三名山である鋸山(のこぎり山)(写真①)を抱える非常に風光明媚な場所で、さらに南の館山、安房鴨川などへ向かう南房総の玄関口的な役割を担つている地域です。新鮮な魚と豊富な農畜産物、温暖な気候に恵まれ、かってこの鋸山から切り出された「房州石」(写真②)は比較的加工が容易なことから一定モジュールで切り出され建築.土木材料として重用され、あわせてその耐火性は当時から評価が高く、防火建築用建材としても取り上げられ、幕末から近代にかけて東京や横浜をはじめ各地に莫大な量が出荷されました。ピーク時には、年間三〇万本もの「房州石」が切り出され江戸の町の建造や横浜開港には多くの房州石が使われ、その名残は今でも早稲田大学の大隈講堂や靖国神社、横浜の高島桟橋、港の見える丘公園などでその姿を見ることができます。また、小林一茶、夏目漱石、正岡子規、東山魁夷など多くの文化人がこの地で英気を養いその後の活動の糧にしたともいわれています。