Sorafenibが無効であつた腎細胞癌肺転移にIFN-alpha交替療法と Tegafur-Uracil併用が著効した1例

摘要

症例は68歳，男性。2003年7月人間ドックにて左腎細胞癌を認め，9月25日に左根治的腎摘除術を施行。腫瘍径は 約8x5cm。病理診断は，RCC. clear cell type, grade1,IFN-alpha>beta v (+), PT3bNxMxVlb, stage IEであった。2005年 2月CTで右肺転移(15X5 mm大）を認めた。3月24日より遺伝子組換え型IFN-alpha（イントロンA~R) 600X104単位週3回 を投与開始し，37か月間は肺転移巣の増大はみられなかったが，2008年5月22日胸部X線にて肺転移巣の増大を認め sorafenib 800 mg/dayを開始した。2か月後の胸部X線で病巣の増大を認め，さらに手足皮膚反応と血小板減少のためsorafenib 投与中止と なった。 8月胸部X線上増悪進み天然型IFN-alpha600X104単位に変更。しかし，それでも増悪傾向が変わ らないため10月よりIL-2 70X104単位に変更するカ气発熱，全身衰弱のため1か月ほどで再び天然型IFN-alphaに戻したとこ ろ病勢が好転し，2009年2月からtegafur-uracil (UFT~R) 300 mg/dayを併用し，5月ごろにPRになり7か月後には肺転移 巣は96%縮小しPRを認めた。