TPFを用いた化学療法併用放射線治療の有用性

摘要

化学療法と放射線治療の併用療法は，新しい抗癌化学療法剤の開発，放射線治療の工夫，抗癌剤による放射線感受性の増強などの検討が行われ，その治療効果が高いことを示す臨床試験の結果が次々と報告されている。頭 頸部癌に対する放射線治療と抗癌剤の併用は1980年代から1990年代前半には否定的な報告が多かったが，最近では放射線単独治療の成績に比べ生存率が有意に改善するという報告が多くみられるようになった。従来， 切除不能例に対する主な治療法は放射線瘴法のみであつたが，近年，化学放射線同時併用療法（concurrent che-moradiation therapy: CCRT)が放射線療法単独よりも優れていることが証明され本邦でも普及しつつある。特に進行癌における化学放射線療法の役割は重要であり，種々の無作為化比較試験が行われている。その結果から標準的治療としての位置付けを確立した分野もあらわれている。