化学療法，全脳照射，定位手術的照射の併用治療により長期生存が得られた小細胞肺癌術後脳転移の1例

摘要

症例は63歳，女性。 肺癌に対して右上業切除術（pT1NIM0．stage IIA．small cell lung cancer）および術後補助化学療法（carboplatln＋etoposide，2コース）が施行された。 術後1年目に腫瘍マーか→値（CEA，ProGRP）上昇のため頭部CT検査を行ったところ，右前頭葉に径3．5cmの腫瘍が指摘された。 転移性脳腫瘍と診断し，cisplatin＋irinotecan hydro-chloride療法を4コースおよび全脳照射をtotal40Gy施行した。 治療後CRとなったが，10か月目の頭部MRl検査にて腫瘍の再増大が指摘されたため，定位手術的照射（辺経線量22Gy，中心線量44Gy）を行った。 治療後の腫瘍縮小効果は良好であり，FDG-PET検査においても同部位の集積低下一欠損像が認められた。 全治療期間をとおしてコントロール不良な有害事象は認められなかった。 治療開始から5年1か月経過した現在，腫瘍の再増大は認められず，元気に社会生活を送っている。