炎症と大腸発癌(潰瘍性大腸炎からの発癌を含めて)

摘要

炎症発癌は胃癌や肝癌における主要なパスゥ エイであるが，一般大腸癌においては炎症によ る発癌は想定されていない.一方で，潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis: UC)は大腸癌発癌のハ ィリスクとされており，大腸癌における炎症発 癌の一つのモデルと考えられている.UC合併 大腸癌では炎症からdysplasiaを経て発癌に至 るdysplasia-carcinoma sequence力s提唱されて おり，その遺伝子変異のパターンは散発性大腸 癌のそれとは異なると考えられている.特に全 大腸炎型UC長期罹患例に大腸癌が高い確率で 合併することはよく知られており，早期発見の ための内視鏡的サーベイランスが欧米および我が国のガイドラインでも推奨されている.