JAK阻害薬tofacitinibの抗リゥマチ作用

摘要

関節リウマチ(RA)治療は炎症性サイ卜力インを標的とした生物学的製剤により飛躍的に進歩したが，投与 経S各，経済的負担などの理由から治療導入または継続が困難なことがある.また，難治症例も存在し，経口投 与可能なあらたな作用機序を有する抗リウマチ薬の開発が待たれている.このような状況下で，細胞質内チ口 シンキナーゼであるJanus kinase (JAK)を阻害標的としたtofacitinibが，内服薬でありながら生物学的製剤に 匹敵する効果を示している.著者らはtofacitinib投与前後の末梢血の変化と関節滑膜組織を用いた検討を行 い，CD4+T細胞のサイ卜力イン産生と増殖抑制，さらに滑膜細胞の軟骨浸潤を抑制することを明らかにした. この結果は，RA患者におけるtofacitinibによる骨破壊抑制効果がみられたこととも一致しており，今後の長 期投与によるさらなる治療効果が期待される.