技術トピックス／エネルギー：地中線保守運用データ収集技術の開発

摘要

都市部の地中送電線では、ケーブルの温度管理や、管路内及びマンホール内のケーブル挙動個所の観測、また，設備の老朽化への対応など、日常的に設備保全のための「監視」·「計測」が必要な状況となっている。 これらの監視等には道路上に施設されたマンホール内への立入りが伴うため、道路上の作業時間帯の制約、交通保安防護施設の設置、作業員の酸欠や墜落等に関する安全上の対応に多くの労力と時間を費やしている。 また、近年、設備の有効活用の観点から、設備の実態を把握した運用が重視されており、各種運用データ収集の必要性が高まっている。これらの課題に対して、これまで種々の監視システムが提案されているが、いずれも専用のデータ伝送回線を用いる高価なシステムであることや、データ伝送距離に制約があること、既設設備への緊急的な導入が困難であることなど、現場ニーズに対応できるものではなかった。そこで我々は、地中線保守運用データ収集方法の改善に向けた取り組みとして、マンホールへの入孔を極力少なくし、既設備にも適用可能で、一時的な期間（2～3ケ月程度）のマンホール内設備の状態監視を可能とする「地中線保守運用データ収集技術」の開発を以下の3項目を目標に進めてきた。①必要な場所へ必要な期間だけ設置が可能であること。 ②必要な設備保守情報を精度よくスムーズに取得可能であること。 ③開発コストと運用コストが安価で、現場適用が容易であること。 この結果、マンホール内の保守運用データを自動収集可能な装置と、地上の任意の場所へ伝送可能な汎用システムを開発、実用化したので紹介する。