シミュレーションを使った回路の評価：周波数特性やひずみを調べる

摘要

信号（交流）が入力されていないエミッタ接地増幅回路（入門II STEP1，図3）には，定常的にある大きさの直流電流が流れており，各部はこの直流電流で決まる電位（基準電位または直流動作点）で安定しています．この状態で交流信号を入力すると，各部の電位は，直流動作点を基準に正負に増滅します．直流動作点は回路の大切な基準ですから，しっかり安定していてほしいものです．部品自体の動作による発熱や室温によって，直流動作点が簡単に変動してしまう増幅回路は使いものになりません．シミュレーション回路が思ったとおりに動いてくれないときも，バイアス·ポイントを調べると原因がわかることが多いです．