LNG船の概要：最新のモス方式LNG船を例にとって

摘要

1959年、LNG専用船「Methane Pioneer」が世界で初めてLNGを大西洋を越えて運んでから今年で46年になる。 この間にLNGは先進国のエネルギーを支える燃料の一つに成長し、LNG船は大きさや隻数とも飛躍的に増大した。 商船としてのLNG船の歴史は、－160℃という超低温かつ引火性のLNGを安全に海上輸送するという課題に対して、関係者たちのすぐれた発想と知恵、地道な努力の積重ねでこれを乗り越えて来た技術の歴史でもある。 LNG船はそのタンクの方式により、分類されるが、その中の主流の一つにモス方式LNG船がある。 筆者の所属する㈱川崎造船（以下、当社）は、1981年の第一船以来、モス方式のLNG船を建造して来た。 そこで本稿では、当社の最新のモス方式のLNG船を例にとってLNG船の概要を具体的に説明する。