「血小板活性化因子から始まる卓球のラリーと美女との邂逅」（3）

摘要

村松先生とのPAFの共同開発中に，西ドイツのミュンスターで開催される国際脂質学会に参加する機会があった。 ミュンスターは西ドイツの国立油脂研究センターがあり，とくにH．P．カウフマン研究所（ドイツ国立脂質生化学研究所）は日本人の油脂研究者にも馴染みの深いところである。 同研究所には，かつて多くの日本人研究者が留学していた。 オレオサイエンス誌の編集委員をされていた神戸学院大学の戸谷永生先生もフンボルト奨学生で客員研究員として留学され，同研究所長のH．K．マンゴールド先生と共著で油化学会誌　 31，411（1982）に，"液化ガスと超臨界液体による脂質およびその他の天然物抽出と分画"の総説を執筆されている。 村松先生も西ドイツ国立油脂研究センターに奉職され，マンゴールド研究所長と親交があり，'DAGEのリパーゼによる脱アシル化物をPAF骨格として合成の出発原料として応用する'アイデアは，マンゴールド研究所長の発案とのお話をお伺いしたことがありました。